定年退職後の健康保険について

トラさんは定年退職すると、国民健康保険に切り替える必要があると考えていました。

前年の収入を元に計算され、しかも扶養という考えがなく、雇用主と折半していたのがなくなるので、かなり負担になる、という程度の知識しかありませんでした。

退職時の説明の際、勤務先総務の担当者から「ニンケイ」とやらの説明を受けました。ニンケイという言葉は初めて聞きましたが、任意継続の略のことです。

サラリーマンをしていた人が希望すれば、勤務していた会社の健康保険組合に最大2年間継続加入できるという制度です。現役時代は会社と折半だったのが、個人で払うことになるけれども、扶養者も加入できるし、人間ドックなどの補助も受けられるとのことです。

標準報酬額の上限が決まっており、それ以上もらっていた人はお得だとのことでした。

それ以外の方法としては、子供の扶養家族になって、その健康保険に入るというものです。

この方法も娘のワンちゃんに資料を取り寄せてもらいましたが、制約が色々あり、2022年の適用は難しそうとの印象を持ちました。

離職票がないと何の手続きもできないのですが、離職票は4月1日以降でなければ発行されません。4月も通院の予定があるので、何らかの健康保険証が必要になります。

とりあえず、任意継続を申請し、いつでもやめれるように自動引き落としではなく、自分が毎月振り込む形にしました。

4月第2週に離職票と健康保険の喪失届が送られてきました。喪失届は14日以内に役所へ届けるように、となっていました。

市役所に持っていくと、国民健康保険への加入手続きでよろしいでしょうか?と尋ねられました。

現在、任意継続を申請中であることを説明すると、任意継続をやめて国民健康保険に加入する時に改めて喪失届を発行してもらって下さいとのことでした。

参考までに国民健康保険の掛金を算出してもらうことにしました。そのためには2021年の所得がわかるものを提示して下さいとのことです。

トラさんは自分の確定申告の資料は持っていましたが、妻のカウちゃんの源泉徴収票は持っていなかったので、LINEで写メを送ってもらいました。

担当の方が同じ世帯に息子さんがいるのでその方の所得がわかるものも提示して下さいとのことです。

カウちゃんに連絡すると、息子のモー君の源泉徴収票の写メも送ってくれました。

担当の方が計算した結果を聞くと、任意継続よりも安い金額でした。ええっ?と聞き返しました。

確認すると、トラさんは昨年融資を受けて不動産を購入しており、その融資に対する利子をかなり払ったので、所得が圧縮されていたのです。

そんなこともあるかも知れないと一瞬考えたことはありましたが、取らぬ狸の皮算用になってはいけない、と深く考えないようにしていました。

実際に役所の担当者から聞くと、非常に得した気分になりました。

これから加入手続きをすると、翌月1日からの加入になるとのことです。そのためには任意継続をやめて喪失届を発行してもらう必要があるので、現実路線としては5月まで任意継続にして6月から国民健康保険が良さそうです。

また、国民健康保険は所得割、均等割と平等割というのがあり、この平等割というのが各世帯ごとにかかってきます。

平等割は医療保険分22,000円/年、後期高齢支援分6,500円/年、介護保険分5,800円/年の合計34,300円/年が各世帯ごとにかかります。

息子のモー君はアメリカに住んでいますが、住民票は日本に残し、国民健康保険も払っているようでした。

国民健康保険用に1つの世帯として登録されているので、トラさんとカウちゃんが加わることで負担率が減ることになります。そこの計算は各世帯の任意となっています。

それ以外に健康保険を安くする方法はないかと調べると、ありました。マイクロ法人スキームというものです。

法人の役員報酬を低く抑えて、それに応じた社会保険料を法人と個人から支払うというものです。

社会保険料を払うので、厚生年金と健康保険を法人が払うと同時に個人への報酬からも払う必要があります。

「協会けんぽ」が管掌する健康保険だけを調べてみると自治体によって違うようですが、トラさんの住む愛知県だと報酬月額を最低カテゴリーの63,000円以下にした場合、年齢的に介護保険の負担もあるので、法人個人あわせて6,710.6円/月になります。

ちなみに月額比較すると東京都だと6,641.0円、大阪府6,878.8円、北海道6,977.4円、沖縄県6,803.8円となっています。

任意継続や国民健康保険より断然安いです。トラさんは任意継続用に4万円/月ちょっと払いましたから。

厚生年金も払う必要があると思うので、こちらも調べてみると、報酬月額が88,000円以上ないと入れません。年金を少しでも増やしたい場合は報酬をしっかり払う方法もあります。

ちなみに、報酬月額を88,000円にすると、法人個人合算で16,104円/月払うことになります。国民年金は16,590円/月ですから若干安いですね。国民年金の場合は月額400円の付加保険料を払うと2年で元が取れますと年金事務所の方が教えてくれました。

厚生年金にすると経費扱いにできると思われますので、法人スキームも考えられます。

報酬月額88,000円だと健康保険料は法人個人合算で10,181.6円/月となります。4万円/月に比べるとまぁ知れてますね。

もっとも月額88,000円の報酬を払えるだけの事業収入がないと始まりませんが。

税理士さんや社会保険労務士さんに相談してみたいと思います。

何も考えずに任意継続や国民健康保険、国民年金に加入していると、ゴッソリ掛金を払わされるところでした。

これまでの日本(GHQ?)の教育は、ある意味従順なサラリーマン養成教育でしたから、税金も社会保険も源泉徴収され、しっかり搾取されていたような気がします。

定年退職に際しての諸手続き

2022年3月7日(月)

定年退職をするにあたり、数々の書類を渡されました。それぞれに印鑑 and/or サインが必要です。

退職一時金の振込先、確定給付年金の受け取り方法選択と振込先、健康保険を任意継続する場合の申請書、団体保険の解約か継続かの申請書、団体保険を継続する場合の引き落とし口座の申請書、労基署に提出する離職票の申請書、など。これらに先立ち退職届、社宅の利用停止届も提出しました。

今後、確定拠出年金の受け取り方法選択と振込先、財形貯蓄の振込先、などが別途送られてくるそうです。

最初から住所や名前が印刷されている書類もありますが、いちいち手書きするものが大半です。

労基署に提出する離職票の退職の理由欄に「自己都合のため」と書かれていたので、トラさんは悩んでしまいました。

再雇用を選択しなければ「自己都合」になってしまうのか?「定年による退職」じゃないのか…と。

在宅勤務だったので、担当者にメールで確認しました。

すると、大変失礼致しました。ご指摘の通り、定年による退職ですとの回答。

定年退職の挨拶メール文も作成し、明日の定年式での挨拶文も考えました。

健康保険は今のものを任意継続する場合、2年間だけ継続できるようです。それ以外の方法としては、国民健康保険に入るか、子供が就職していればその扶養になってそこの健康保険に入るという方法があります。

任意継続だと健康保険と介護保険をあわせて40,204円になります。これで夫婦二人分がカバーできます。

国民健康保険だと昨年の標準報酬月額によります。カウちゃんのような専業主婦の場合を調べたかったのですが、ギブアップです。よくわかりませんでした。

任意継続にするか、国民健康保険にするかを掛金の総額で比較したかったのですが、調査時間が必要です。