定年退職後の失業保険について

トラさんは2022年3月31日で37年間勤めた会社を定年退職しました。途中で関連会社への出向や、海外子会社への出向、分社化、部門ごと別の会社に売り飛ばされたりしましたが、転職はしませんでした。

そのため社会保険などの書類上は37年間同一の会社に勤務したことになっています。

離職票が届いたので、ハローワークへ提出しに行きました。雇用保険をずっと払ってきたので、失業手当の手続きのためです。

ハローワークと聞くとなんとなくパチンコ屋を想像してしまい、朝のオープン前から並んでいるのではないかと思い、午後遅めの方がすいているだろうと判断して、15時頃に行きました。

ところが無茶苦茶混雑しています。初めての訪問のため、何をすれば良いかわからないので受付に行きます。

受付の方も複数名いますが、それぞれの方が対応しています。トラさんが行くと別の所からヘルプに来たのか、対応してくれました。

書類を渡され、記入台の上で求職のため必要項目を記入していきます。

項目が多く、結構時間がかかります。トラさんはフルに働くつもりはなかったので、パート勤務希望にして、希望時給は高過ぎず安過ぎずの1,200円にしました。

書類を書いて受付へ持って行くと、最初に対応してくれた方とは別の方が内容を確認し、少し質問を受けた後、書類を入れたビニルケースを渡され、受付用の紙を5番窓口のボックスに入れるようにと指示されます。

5番窓口に受付用紙を入れて呼ばれるまで待ちます。窓口はいくつかあり、それぞれカテゴリーに応じて違っているようでした。

また、同じ5番窓口でも詳細内容に応じて担当者も違っているようでした。

案内板には約60分待ちとなっています。待っている間は流れている求人ビデオを見ますが、世界的な企業があったり、町の中小企業があったり、最初は興味津々で観ますが、2度目3度目となるとウンザリ…

何分待ったか覚えていませんが、17時は過ぎていたので、ハローワークに来てから2時間以上は経っていました。

トラさんが心配していたのは、お役所なので17時には閉まるのではないかということでしたが、そんな気配は全くありませんでした。

ハローワークといえば労働基準監督署ですから残業などには厳しいはずです。17時半までとしても、この混雑状況をさばけるとはとても思えません。

そうこうしているとトラさんの番号が呼ばれました。担当の方は失業手当がもらえるかどうかの資格要件を確認する方のようでした。

書類を確認したところでは150日間の失業手当が出るとのことです。ただし、法人の代表になっているところにチェックが入っている所が引っ掛かるとのことでした。

代表社員で登記しているが、報酬も取っていないことを説明し、登記簿も見せました。

登記簿のコピーを取らしてもらっても良いかと聞かれたので、もちろんです、と即答しました。

上の方にも相談したのでしょうか、代表というのが取れれば良いとのことでした。代表社員を業務執行社員に変更するには社員総会を開いて法務局に定款の変更届けを提出すれば可能ではあります。

ハローワークでも地域によるかも知れませんが、資格要件等は形式主義なのかもしれません。

形式主義としてトラさんが真っ先に思い浮かぶのは、「中小企業の定義」です。製造業の場合は資本金基準では3億円以下ですが、最近大企業でもわざと減資して中小企業のメリットを享受する所もあるようです。

定款の変更も免許税やら申請の手間もかかりますので、失業手当の額との天秤になります。

トラさんのケースを調べてみると、1日当たり7千円ちょっとで上限額の手当になるようです。

これに150日間をかけると…なんと100万円を超えるではないですか!

半分に減額されても50万円ですので、これは定款の変更をして再申請する価値はありそうです。

雇用保険はずっと払い続けていましたので、そのうちの一部でも取り戻せるものなら取り戻したいものですね。

コメントを残す