2022年2月13日(日)
今日は2月11日に公開されたスティーブン・スピルバーグ監督の『ウエスト・サイド・ストーリー』を観てきました。

https://www.20thcenturystudios.jp/movies/westsidestory/
前作は1961年に公開され、何度もリバイバル上映されています。ミュージカルでも不朽の名作として上演し続けられています。

トラさんも高校生くらいの頃に初めて観たのだと思いますが、レナード・バーンスタインの映画音楽がストーリーよりも印象に残っていました。
当時は全く気がつきませんでしたが、映画に出てくる若者達は高校生ということです。よく似た映画のジェームス・ディーン主演の『理由なき反抗』は高校が舞台となっているので、主人公達が高校生だとわかります。

しかし、高校生が車で通学するなんて、映画の中のフィクションの世界だと思っていましたが、実際にアメリカで暮らしてみて高校生が車で通学しているのを目の当たりにすると映画の世界ではなかったことに衝撃を受けました。
実は、トラさんが映画を観て初めて涙を流したのは中学生の時に観た『理由なき反抗』の最後のシーンでした。
今回観た『ウエスト・サイド・ストーリー』には完全に感情移入してしまい、4回くらい涙が止まりませんでした。マリアやトニーが歌っているのを聞くと涙が自然と出てきてしまいます。
テーマは人種差別が根底にあり、トラさんもアメリカに住んでいた頃は、少なからず人種差別を感じたことがあります。
もっとも、映画を観て思ったのは、自分達が肌の色に対するコンプレックスを持っていると、相手が差別しているわけでもないのに、差別されていると錯覚することもあるということです。
映画ではプエルトリコ系移民の高校生と抗争するイタリア系移民の高校生がいます。イタリアは戦敗国ですが、アングロサクソン系白人と白人同士での仲間意識があるような気がします。映画の中でもそのように描かれていました。
トラさんがイタリアやドイツへ行って歴史的建造物などを見て不思議に思うのが、第二次大戦の敗戦国なのに、なぜここまで残っているのか?という疑問です。
日本に対する攻撃の仕方と、ドイツやイタリアに対する攻撃の仕方が違ったのではないかと感じます。
京都や奈良へはあまりひどい攻撃をしなかったとの話しもあるので、手加減はできたのでしょう。
同じ民族同士でも争いはしますが、そこへ異質な他民族がくると、同じ民族同士で団結しますし、それが肌の色でも同じようなことが起きるという遺伝子上の働きなのでしょう。
アメリカは昔から多民族国家だったので、多様性を認めることを意識して行う必要があったのだと思います。しかし、遺伝子レベルまで変えることはできないのが実態だと思います。
ウエスト・サイド・ストーリーの映画を観た人の評価の平均が5段階で4を超えないのは、日本人からすると移民のことがいまいち理解できないからかも知れません。でもアメリカでは受けるでしょう。7部門ノミネートのアカデミー賞でいくつ受賞するか注目ですね。
ところで、トニー演じる役者(アンセル・エルゴート)はどこかで見たことがあると思ったら、大谷翔平選手でした。生まれた年が二人共1994年、身長が同じ193cmとなっており、カウちゃんも大谷翔平みたいだと思ったようです。映画のコメント欄にもそのような意見がありました。
また、1961年版の映画にも今回の映画にも出演している役者(リタ・モレノ)がいるのにも驚きです。
第94回アカデミー賞は3月27日にロサンゼルスのドルビーシアターで授与式が行われます。村上春樹原作、濱口竜介監督の日本映画『ドライブ・マイ・カー』も4部門にノミネートされています。

この映画も近々に観に行きたいと思います。今日映画館で観た予告編では2月23日公開の『ドリームプラン』もアカデミー賞に6部門がノミネートされており、女子テニスのビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹の実話のようです。これも是非観たいものです。
